第6戦勝者カン・ドンゴン、キム・ガヨンへのインタビュー(前編)

昨年末、PBA6thツアー「SKレンタカーPBA-LPBAチャンピオンシップ」優勝者はカン・ドンゴン(39・BRAVO & NEW)とキム・ガヨン(36・ Shinhan Investment)であった。
二人はPBA参加以前から、それぞれ 3クッションとポケットビリヤードの韓国を代表する選手だ。PBAでは、 カン・ドンゴンはフレデリック・クードロン(ベルギー)と共に「2強」とされていたが、PBAルールに適応できず不振を重ねた。キム・ガヨンも初ツアーで3位だったが、以降は期待には及ばない成績だった。

インタビューは去る6日にソウル論硯洞のNEW(ネクスト エンターテイメント ワールド=カン・ドンゴン所属のマネジメント会社 BRAVO & NEW はNEWグループの一つ)本社地下のカフェで行われた。

▲優勝から半月ほど経ちました。その間はどのように過ごしましたか。

△ カン・ドンゴン (以下カン)=優勝後のインタビューを7万回くらいしたような気分だ。放送や撮影もあった。また家族や先輩など、お世話になった方々と会う席を設けた。食事も沢山したよ(笑)。

△キム・ガヨン( 以下キム)=インタビューや撮影で忙しく過ごしました。また、優勝後には練習が疎かになりやすいので練習時間を守ることを心がけています。

▲二人は仲が良いですね。いつ頃からのお知り合いですか。

△カン=私とガヨンが高校生だった90年代後半は、学生選手が二人しかいなかった。私たちの先輩たちは10歳以上の差があったことを覚えている。1998年の全国大会でガヨンと話を交わしたことがある。仁川の有名選手だったジョ・ムンファン先輩に勝った時に「若いのにどうしてこんなにに上手いの?」と褒めてくれたを覚えてるよ(笑)。

△キム=褒めたのは忘れたけど、その時の状況は覚えています。私は学生選手がいるというのが不思議でした。しかも有名な選手に勝っていましたし。

▲第6戦でお互いの決勝戦を観戦しましたね。

△カン= TVでガヨンの決勝戦を見て衝撃を受けた。今まで女子の試合を見ると、精度は良いがパワーが少し不足していたり、あるいはその逆だった。しかしキム・ガヨン選手はどちらかが足りないことはなかった。男性が駆使するテクニックを難なくこなしていたよ。国際テーブルは特に対応が難しいがガヨンは近いうちにアベレージ1.00以上を出すだろうと強く思う。
(注:女子でアベレージ1.00以上出す選手は世界的にも限られている)

△キム=ずっと対応できなくて迷っています(笑)。ドンゴン兄さんの決勝戦は気楽に見れました。序盤の表情とショットを見ると、少し撞き辛そうに見えたので「緊張してるんだ」と思いました。けれど相手選手も凄く緊張していて沢山をミスをしていた。試合中盤からは「いよいよ優勝するんだな」と気楽に試合を楽しめました。

▲多くの選手がPBAツアーの新しいルールへの対応が難しいと言っています。

△カン=本当に難しかった。最初はいつものように撞けば良いと思っていた。しかしサバイバルゲーム、先クッション2点など、どれも簡単には対応できなかった。PBAルールに適したビリヤードスタイルにするためには多くの変化が必要でたくさん努力した。

△キム=私はただ楽しんで適応できました。ポケットビリヤード選手である私には、3クッションでは比較するべき基準がなかった。経験が無いぶん先入観もないので、当然対応しなければならないという考えで練習しました。

▲PBA発足後、選手として最も大きく感じた変化は。

△カン=ビリヤード自体が活発になった。試合を盛り上げる音楽も賑やかになり、応援もマナーが良くなった。最大の変化は大会のメインスポンサーだ。有名な大企業が継続的にビリヤード大会を後援するということは、以前は想像もできないことだった。

△キム=最も実感する事は「プロ」という呼称です。米国での活動時は呼ばれてはいたけれど、韓国で呼ばれた時は本当に新鮮で誇りに思えました。真のプロビリヤード選手として尊重される感じがしました。また、ビリヤードがメディアに多く露出され、ファンの関心も高まったことを感じています。自然と行動もより慎重になります。

▲PBAツアー独自の魅力は。

△カン= PBAツアーには一時も目を離すことができない迫力がある。サバイバルや30秒タイムクロックなどは、ファンをさらにドキドキさせる。選手としては息苦しいけれど(笑)。

△キム=会場の規模が大きくなり華やかになりました。以前の韓国ではこの規模の会場を華やかに飾った大会があったのかと思います。3クッション大会では数回ありましたが、ポケットビリヤードの大会はありませんでした。ビリヤード人気の高い外国の大会でも滅多に見ません。ところがPBAは会場や観客席、TV中継などはそれ以上でとても魅力的です。選手としては自然とやる気が出ます(笑)。

▲お互いに学びたい部分はありますか。

△カン=ガヨンから一番学びたいのは「ポーカーフェイス」だ。私も昔は「若年寄り」と呼ばれるくらい表情の変化がない方だった。ところが年齢とともに焦りが表情に出るようになったよ。それに比べて、ガヨンは常に余裕がある。試合時の姿はクールそのものだ。そんな余裕を真似したい。

△キム=兄さん、それ演技です(笑)。「知っている分だけ見える(아는 만큼 보인다=韓国のフレーズ)」という言葉のように、私はまだカン・ドンゴン選手のビリヤードの何が良くて何が悪いのか評価できるレベルではありません。カン・ドンゴン選手のテクニックを全て吸収したい気持ちです。率直に言って一番真似したいのはパワーですが、それはどうにもならないようです(笑)。

△カン=パワーは今のままでで十分。思うほどパワーはビリヤードの大部分を占めていない。今のパワーだけで男子選手が駆使するショットは全てできる。パワーがあるからといって優勝できるわけではない。今のガヨンが世界選手権に出ても優勝できそうだ。

▲2020年になりました。昨年の自分に何点を与えますか。

△カン= 第6戦までは30点。優勝後は周囲の方からは80点程度とは言われたが、私としてはちょっと高めで70点。

△キム= 100点満点で120点です(笑)。今回優勝したことに120点ではなく、大会に向けて着実に準備し、怠けずに練習したことに対して自分を褒めてあげたいです。

▲2020年の目標は。

△カン=最初の目標は、当然のことながら「PBAファイナル」(優勝3億ウォン)の優勝だ。これまで2015年LGU +大会など大きな賞金がかかった大会での成績が良かった。優勝して初代PBAツアー賞金王になるように努力する。

△キム= 第6戦は優勝したが、現在のLPBAランキングは5位です。1位を目標に努力します。また、今ツアー末までにアベレージを1.2点代に上げたい。今のアベレージは「板飛び(韓国の伝統的な遊び。シーソーのようなもの)」をしているようです(笑)。平均は0.9点代ですが、ある時は1.2点代、ある時は0.6点代です。基本技術の練習をより忠実に行おうとしています。

元記事 MKビリヤードニュースより抜粋翻訳
http://mkbn.mk.co.kr/news/view.php?sc=62000001&year=2020&no=26949

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